介護の現場に設置が必要とされているナースコールですが、スタッフを呼び出すだけのシンプルなものから、さまざまな機能が加わったハイスペックなものまでたくさんの種類があります。この記事では、ナースコールの種類や最新の機能ついて解説します。
目次
ナースコールの種類は、主に3つに分けられる
従来型ナースコール
電話主装置型ナースコール
PC管理型ナースコール
ナースコールの通信方法は「無線」と「有線」の2種類
【1】無線ナースコール
【2】有線ナースコール
ナースコールの機能には、どのような種類があるの?
1.シンプルなコール機能タイプ
2.会話ができるタイプ
3.映像の確認ができるタイプ
4.見守りができるタイプ
■ナースコールの種類は主に3つに分けられる
ナースコールの種類や機能は多種多様ですが、まずは以下の3つの制御装置の違いについて解説します。
従来型ナースコール
「従来型ナースコール」は、ナースコール専用の制御装置をメインに、親機や各居室の子機とつなぐ仕組みとなっています。PBXとの連動はできず、親機でのみ呼出確認が可能な旧式タイプです。
電話主装置型ナースコール
「電話主装置型ナースコール」は電話機をナースコールの制御装置にしたタイプで、電話設備システムとも呼ばれます。電話がベースになっているためPHSなどの端末とも連携でき、小規模の施設の導入にも適しています。ただし他社から入れ替えるときには、電話設備も合わせて導入しなければならないケースが一般的です。
PC管理型ナースコール
パソコンで管理するナースコールで、有線の仕様だったナースコールを、ソフトウェアや無線機器を使用し、ワイヤレスでの制御が可能となりました。そのため配線工事のコスト削減や、居室を自由にレイアウトすることも可能となりました。また、スマートフォンやほかのシステムとの連携も可能で柔軟性・利便性が高いとされています。
■ナースコールの通信方法は「無線」と「有線」の2種類
ナースコールの通信方法にも違いがあり、無線と有線の2つに分けられます。
【1】無線ナースコール
無線ナースコールはWi-Fiなどの電波を利用し、各呼び出しボタンと親機の配線を不要にしたナースコールです。居室内に通信機を有線で引き込んでボタンだけ無線環境となるものや、居室内の配線まで不要となるものなどさまざまなタイプがあります。
壁付けする有線式と比べて場所に縛られることなく自由度が高いことが利点であり、ベッドなどのレイアウトを気にすることがありません。近年では無線ナースコールを導入する施設も増えています。
一方、無線ナースコールのなかには、通話ができないタイプのものもあります。物によっては有線ナースコールに比べると通信環境が不安定といった懸念点があります。
「ココヘルパ」は全7シリーズで業種や施設課題に合わせた運営を実現できる無線式のナースコールです。各居室内への配線が不要となるため、配線工事などにかかるコストや手間を削減できます。また一般的な無線ナースコールで懸念とされる不安定な通信に関しても、ジーコムではあらゆる方式の無線帯を使用し製品を自社開発しているため、高品質で安定した通信環境の提供が可能となります。
【2】有線ナースコール
有線ナースコールは居室とスタッフルームを配線でつないで通信する方法です。従来のナースコールは主に有線タイプであり、多くの介護施設で利用されています。基本的には介護スタッフと入居者との相互通話が可能で、無線に比べると通信トラブルが発生しにくいといったメリットがあります。
一方、配線工事が必要であり、工事期間や費用は介護施設の規模によって異なります。工事が数か月に及ぶこともあるため計画的な導入が求められます。
■ナースコールの機能にはどのような種類があるの?
近年のナースコールの機能は、大きく「呼出」「会話」「映像確認」「見守り」の4つの機能に分けられます。それぞれの機能の役割やメリットについて解説します。ジーコム社の無線ナースコールシステム「ココヘルパ」についても紹介します。
1.シンプルなコール機能タイプ
ナースコールの呼出機能のみのシンプルなタイプです。ナースコールで呼び出しがあれば、事務所やスタッフが携帯するPHSやスマートフォンに通知されます。入居者から呼び出されていることがわかればよいという目的であれば、コール機能のみのナースコールも選択肢の一つです。シンプルな機能であるためコストダウンが可能となり、主に小規模施設などでの導入に適しています。
ジーコムでは、シンプルかつ低価格を実現したモデル「ココヘルパN、W、A」を販売しています。呼出はボタン操作以外にも離床センサーやマットセンサーなども接続できる拡張性を備えており、ボタンを押せない方にも安心して利用できるモデルです。
2.会話ができるタイプ
ナースコールの呼出機能に加え、会話できる機能を備えているものもあります。入居者から呼び出された際に会話ができるため、意思疎通を図ってからの訪室が可能です。駆けつけなければ入居者の要望がわからないということがなくなるため、ムダな訪室を防止しスタッフの作業効率を向上させられる機能です。
従来のナースコールは同じタイミングで複数の呼出があっても先に押された通知を自動で着信する仕組みでしたが、会話機能を搭載している無線ナースコール「ココヘルパG」では、複数の呼出情報をすべてスマートフォンに一覧表示できます。どの居室から対応するべきかが一目でわかりやすく、適切な判断にも役立ちます。
3.映像の確認ができるタイプ
ナースコールの呼出時に映像で居室の様子を確認できるタイプです。スマートフォンから入居者の状態がリアルに確認できるため、緊急度などを把握して迅速かつ適切な対応を可能とする機能です。体調異変などの理由から声を出せないなどのケースでも、映像確認で異常を素早く把握できます。
ジーコムは映像付ナースコールの先駆けとして、会話機能付ナースコールが主流だった時代に業界初の映像機能付ナースコールを販売。映像付ナースコール「ココヘルパX、VP、Vcam」は、さまざまなシーンで映像活用できる機能を搭載しており、リスクの低減とスタッフの業務負担を大幅に軽減できる多彩な機能を備えています。呼出時の映像確認だけではなくインシデント発生時に役立つ録画・録音できるモデルや、タブレットからリモートで夜間巡回が行えるモデルなどを揃えています。
4.見守りができるタイプ
見守りができるタイプは、カメラやセンサーなどを用いて入居者の情報を把握・検知し、自動でスタッフに通知するシステムのことを指します。入居者から離れた場所にいても、転倒や転落、体調の急変などに素早く気付いたり事前に防いだりと安全性の向上が期待できます。近年では見守り専用のカメラなども登場しています。
業界初の映像型活動検知機能を搭載した「ココヘルパVP」は夜間の入居者の活動量を自動通知することが可能なため、見守りの優先度が明確になり夜間見守りの負担軽減が期待できます。
また、これまでご紹介したナースコールの機能はもちろん、映像機能や見守り機能を更に進化させた「ココヘルパX」はミリ波レーダーなど様々なセンサーを一体化させ、離床や身体異常など様々な状態変化を自動通知できる最上位モデルです。訪室中以外でも入居者の様々な変化に気づくことができるため、スタッフの業務負担軽減とケアの質向上の両方を実現します。
このように、ナースコールの種類は豊富にあります。そのため「どのようなナースコールを選べばよいか」と迷われている方も多いのではないでしょうか。
次週はナースコールを選ぶときのポイントをご紹介します。