介護施設にとって、認知症による徘徊は十分に対策をとっておくことが不可欠です。
この記事では、認知症による徘徊対策として有効なツールをご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
認知症による徘徊対策におすすめ製品
離床センサー
見守りカメラ
徘徊センサー
GPS
認知症による徘徊対策でやってはいけないこととは?
身体的な拘束をする
叱る・脅すような発言をする
認知症の方が徘徊してしまった場合の対応方法
認知症の方が馴染みのある場所を探す
警察に連絡する
地域包括支援センターに相談をする
認知症による徘徊防止のためにできること
なぜ徘徊しているのかの理由を聞いてみる
落ち着くまで付き添って歩いてみる
まとめ
■認知症による徘徊対策におすすめ製品
認知症による徘徊を防止するためには、ツールの活用も検討しましょう。おすすめの製品を紹介します。
離床センサー
離床センサーは、センサーを取り付けておくことで人の重みや動きを検知し、通知するアイテムです。認知症の方の徘徊対策として介護施設でもよく導入されています。
無線ナースコールシステム「ココヘルパ」では、マットを踏んだことを検知する「マットセンサー」のほか、ベッドの横に取り付けてベッドから降りることを検知できる「離床センサー(人感式)」を提供しています。認知症の方がベッドから降りようとした際に介護者へと迅速に通知できるので、徘徊を防止できるアイテムです。
見守りカメラ
見守りカメラは、離れた場所からスマートフォンやパソコンなどで居室を確認できるカメラです。居室で何かあったときの原因確認や、ナースコールがなったときの状況把握などに活用されています。映像付無線ナースコール「ココヘルパ」は呼出または離床などを検知した際、居室の様子をリアルタイムで確認ができます。
すぐに映像確認ができることで、徘徊に限らずむやみにナースコールを押してしまう方の場合にも、駆け付ける前に緊急度や状況を把握することが可能となります。また常時録画録音機能付きのモデルであれば、居室で問題が発生した場合でも後から映像と音声データを確認できるため、何があったのか、いつ頃出ていったのかなどの事実確認に役立ちます。
徘徊センサー
センサーを使用した一般的なツールには、ドアを開けたら通知するタイプ、赤外線を横切ったら通知するタイプ、認知症の方に身に着けてもらうタイプなどさまざまなものがあります。認知症の方の行動範囲は、ベッド上や居室内だけとは限りません。介護施設の出入口などに徘徊を検知できるようにセンサーを取り付けておけば、施設から一人で出てしまうことを防げます。
無線ナースコールシステム「ココヘルパ」でも、居室のドアなどに設置する「ドア開閉センサー」や廊下や通路に設置する人感式の「空間センサー」も展開しています。徘徊防止に役立つことはもちろん、危険な場所への立ち入りも防げるので認知症の方の安全を守れる製品です。
GPS
GPSは、人工衛星の電波を利用して位置情報を確認できるシステムです。GPS機能がついた端末を認知症の方に持っておいてもらうことで、徘徊して外に出てしまってもすぐに居場所を見つけられます。
本人がGPSを持つことを嫌がることや持っておくことを忘れることもあるため、いつも持ち歩くバッグや服のポケット、靴などに取り付けるなどの対策が必要です。
■認知症による徘徊対策でやってはいけないこととは?
認知症の方のためを思ってとっている行動でも、実は症状を悪化させ徘徊の可能性を高めてしまっている恐れもあります。
身体的な拘束をする
認知症の方が徘徊できないように、徘徊を無理にやめさせるような行動はとってはいけません。相手の身を案じて行っていても、本人にとっては不安や苦痛を感じてしまい症状が悪化する可能性もあります。
叱る・脅すような発言をする
叱ったり脅したりするような発言も逆効果です。認知症の方は叱られたり脅されたりした内容は忘れても、そのときの恐怖感は残っています。この環境にいると嫌な気持ちになるという意識につながり、安心できる環境をもとめて徘徊するという悪循環を招く恐れがあります。
■認知症の方が徘徊してしまった場合の対応方法
認知症の方のために十分に対策を行っていても、徘徊が起きてしまうこともあります。もしも認知症の方の行方がわからなくなった場合は、迅速に以下の行動をとります。
認知症の方が馴染みのある場所を探す
近隣を捜索する場合は、認知症の方が馴染みのある場所を探してみましょう。徘徊者が発見される場所は、普段移動できる範囲の可能性が高いとされています。
警察に連絡する
警察に連絡することをためらう方もいるかもしれませんが、少しでも早めに連絡して捜索願を出すことが大切です。徘徊から時間が経っていなければ捜索範囲を狭められ、発見できる可能性も高くなります。
地域包括支援センターに相談をする
地域包括支援センターは、高齢者を支える「総合相談窓口」です。行方不明者を発見保護する「高齢者の見守り・SOSネットワーク」のサービス提供を行っている場合もあり、相談すれば地域の協力者や団体にすみやかに情報が配信され早期発見の助けになります。
■認知症による徘徊防止のためにできること
認知症の方と接する中で、徘徊防止のためにできることもあります。徘徊を始めたときは以下の2つの行動をとってみましょう。
なぜ徘徊しているのかの理由を聞いてみる
なぜ徘徊しているのか、その理由を聞いてあげることが大切です。たとえばトイレや部屋など行きたい場所がある、メガネなどの探し物がある、買い物などの用事があるなどのように、徘徊には何らかの理由があります。
しかし記憶障害によって、自分の目的を忘れてしまって徘徊していることもあります。理由を聞いて一緒に思い出したり気持ちに寄り添ったりすることで、不安が解消されて徘徊がおさまることもあります。
落ち着くまで付き添って歩いてみる
目的や理由は思い出せないけれど、どうしても外に出たいと思っていることもあります。行動を制限してしまうと不安やストレスにつながるため、落ち着くまで付き添ってあげることが大切です。一緒に歩くことで、気持ちがおさまり徘徊の症状が改善される可能性もあります。
■まとめ
徘徊してしまう認知症の方を介護するうえで大切なことは、日頃から生活習慣を整えて適度な運動をし、ストレスなく心地よい環境で過ごすことです。徘徊しようとしても無理にやめさせたり叱ったりせず、理由を聞いてみて必要なときは一緒に歩いてあげることが大切です。
しかし介護スタッフや家族の力だけでは徘徊を防止することは難しいため、有効なツールを活用するのがおすすめです。
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