介護施設では、入居者の快適で安全な暮らしを提供するためにナースコールの設置が義務づけられています。しかしナースコールの調子が悪く、「コールが鳴らない」「鳴りっぱなしになる」といったトラブルが発生するケースもあります。もしもナースコールが故障してしまった場合、原因を探ってそれぞれにあわせて対処する必要があります。この記事では、ナースコールの故障の原因や対処法、買い替えのポイントについて紹介します。
目次
ナースコールの故障の原因は?
呼び出しボタンの故障
コードの破損
根本端子の破損
埋込インターホンの故障
子機の故障
アンテナやシステムの不具合
ナースコールが故障した場合の対処法
ナースコールが故障する理由は?
入居者がコードを強く引っ張ってしまう
経年劣化による故障
ナースコールが壊れると総入れ替えになるケースも
ココヘルパなら壊れた箇所だけ取り換えが可能!
まとめ
■ナースコールの故障の原因は?
ナースコールが故障してしまうと入居者の生活にも影響を与えてしまうため、早期解決が必要です。しかしナースコールは、入居者の居室に設置する呼び出しボタンやPHSなどの子機、通信のためのアンテナ、それらをつなぐコードなどさまざまな部品で構成されており、不具合の原因は多岐にわたります。ここでは原因と考えられるポイントについてみてみましょう。
呼び出しボタンの故障
ナースコールが故障する原因としてまず考えられるのが、呼び出しボタンです。呼び出しボタンは、入居者の利用頻度も多いパーツであるため、接触不良などが原因で不具合を起こすケースがあります。呼び出しボタンを押しても、信号がナースコール親機やPHS端末に届かない場合、呼び出しボタン本体やそのコード、根本端子が故障していることが考えられます。
コードの破損
呼び出しボタンと周辺機器をつなぐコードは、ほこりや湿気などがたまりやすい部分です。経年劣化にともなって徐々に腐食が進行し、故障に至ることがあります。またコードに負荷がかかったり衝撃を与えたりすることで、途中で断線してしまうケースもあります。
根本端子の破損
呼び出しボタンをつなぐ根本端子が破損しているケースもあります。引き抜く際に力が加わったなどの理由からプラグ部分の接触不良を起こした可能性や、もしくは漏電による故障などの可能性も考えられます。
埋込インターホンの故障
呼び出しボタンを押しても作動しない場合は、壁に設置しているインターホンのボタンを押してみます。埋込インターホンが鳴る場合は、呼び出しボタンやコード、根本端子に原因がある可能性が高いといえます。
埋込インターホンのボタンも鳴らない場合は、埋込インターホンもしくはナースコールシステムの制御装置に問題がある可能性があります。制御装置に不具合が生じていると、ほかの居室でも同じように、ナースコールが鳴らないトラブルが起きている可能性があります。
子機の故障
PHS端末などの子機に不具合がある場合は、ほかのPHSでも同じような不具合が起こるか確認します。不具合が起こっているのが1台のPHSのみということであれば、端末の修理・交換だけで対処できます。しかし複数台が不具合を起こしている場合は、アンテナやシステムに原因がある可能性があります。
アンテナやシステムの不具合
ナースコール本体やPHSなどの端末で、さまざまな不具合が生じている場合は、アンテナやシステムに原因があると考えられます。
たとえば、特定の場所でPHSが繋がらない・繋がりにくい場合はアンテナに原因がある可能性が考えられます。反対にPHSのアンテナが正常に動作している、エラーなどが起きていない場合は、ナースコールシステム自体に原因があると考えられます。
■ナースコールが故障した場合の対処法
ナースコールが故障する原因は、すでに紹介したとおり多岐にわたります。「故障かな?」と思ったら、まずはナースコールの呼び出しボタン本体や、コード類、制御装置、PHS端末、アンテナなど、どこに原因があるのかを特定することが大切です。
原因が特定できれば、「部品の修理や交換ですむのか」あるいは「機器を入れ替えなければならないのか」といった対処法がわかります。
いずれにしてもメーカーに修理の問い合わせや依頼が必要となりますが、詳しい症状や原因を伝えられるとスムーズです。
■ナースコールが故障する理由は?
ナースコールが故障する理由を把握できていれば、故障を未然に防止するのに役立ちます。
入居者がコードを強く引っ張ってしまう
呼び出しボタンやコードを入居者が引っ張ってしまい、コードの断線や根本端末の破損などにつながるケースは少なくありません。故意でなくても、引っかけたり踏んだりしてしまっている可能性もあります。
有線タイプのナースコールだと、コードを引っ張ってしまうことで故障につながるだけでなく、転倒などの入居者のリスクを防止する対策も必要です。無線タイプのナースコールであれば、このような懸念点は払拭できるため、入れ替えを検討することもおすすめです。
経年劣化による故障
経年劣化による故障も、ひとつの理由です。ナースコールは、24時間365日ずっと稼働させている設備であるため、長期間使用することで部品は劣化します。ナースコールに法定耐用年数はありませんが、およそ8〜12年ほどが推奨使用年数とされることが一般的です。およそ10年以上経過した頃に、故障の割合が高まる可能性があります。
■ナースコールが壊れると総入れ替えになるケースも
ナースコールが壊れると、修理や交換ができず、総入れ替えとなるケースもあるため注意が必要です。たとえば、10年以上と使用年数が古いと、部品の取り扱い自体がなくなってしまっていて、修理・交換の対応ができないことも多々あります。1か所が故障しただけにもかかわらず、総入れ替えが余儀なくされてしまうと、大きなコストがかかることになります。
また有線式のナースコールの場合、総入れ替えには大掛かりな工事が必要です。さらに介護施設の運用を続けながら工事を進めなければならず、工事期間が長引くうえに、その分のコストもかさんでしまいます。
ナースコールを導入する際は本体価格だけでなく、「部分的な修理・交換が可能かどうか」「どれくらいの修理コストがかかるのか」といった要素を踏まえて選ぶことが大切です。
■ココヘルパなら壊れた箇所だけ取り換えが可能!
現状のナースコールが総入れ替えとなった場合は、介護施設専用の無線ナースコールシステム「ココヘルパ」への移行がおすすめです。
ココヘルパは無線式であるため、ナースコール機器に不具合があっても、壊れた部分だけの交換が可能です。またナースコールの故障理由で挙げた「コードを引っ張る」ことによる断線や根本端子の破損という点も、無線式のココへルパならそもそも心配ありません。万が一機器類が故障しても、ココヘルパはジーコムが自社開発し、国内で製造しているため、永続的に製品の供給が行えます。
有線式のナースコールやPHSを利用する際、専用アンテナの構築や有線工事などのコストがかかってしまいます。一方ココヘルパの場合、大掛かりな配線工事が不要であり、無線環境を構築することで他の用途にも活用できるメリットもあります。
ココヘルパは、将来的に心配となる修理・交換が安心して行え、長期的にみると大幅なコスト低減にもつながるため、ナースコール入れ替えの際はご検討ください。
■まとめ
ナースコールが鳴らないなどの不具合があった場合、メーカーに連絡して修理などを依頼する必要があります。ただし故障する原因は多岐にわたるため、どこに原因があるかを特定することで、修理・部品交換・入れ替えなどの判断がスムーズになります。
またナースコールの一部だけが故障した場合でも、有線式で古いものだとすべてを入れ替えしなければならないケースもあります。ナースコールを導入する際は、修理や交換などの対応や費用などについても確認しておくことが大切です。