前回のコラムでは、介護施設別のナースコール設置基準やポイントについてご紹介しました。
では、もし設置しなかった場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。ナースコールを選ぶ際のポイントについても解説します。
目次
介護施設にナースコールを設置しない場合のリスクとは
介護施設向けのナースコールを選ぶ際のポイント
長期に渡り使い続けられるか
業務効率化につながる機能が備わっているか
入居者やスタッフが使いやすいか
コストパフォーマンスが高いか
他社のシステムとの連携ができるか
長い目で見るなら、介護施設もスマートフォン化がおすすめ
介護施設のナースコールは実績豊富な「ココヘルパ」がおすすめ
まとめ
■介護施設にナースコールを設置しない場合のリスクとは
ナースコールの設置が義務づけられている介護施設において、もしも設置を怠っている場合、改善命令や事業停止命令などの行政処分が行われます。
またナースコールの設置を怠るだけでなく入居者が適切に使用できない場合、虐待行為とみなされ、「高齢者虐待防止法」にも違反することにつながります。「高齢者虐待防止法」とは、高齢者虐待を防止し、虐待を受けた高齢者を保護するための法律です。
厚生労働省では、以下の行為を虐待と定義しています。
- 身体的虐待
- 介護・世話の放棄・放任
- 心理的虐待
- 性的虐待
- 経済的虐待
そして「2:介護・世話の放棄・放任」「3:心理的虐待」の具体例として、以下が明記されています。
- 「ナースコール等を無視する」
- 「ナースコール等を使用させない、手の届かないところに置く」
ナースコールを適切に設置し、入居者の状況に応じていつでも押せるような状態にする運用が求められます。
参考:厚生労働省「高齢者虐待防止の基本」
■介護施設向けのナースコールを選ぶ際のポイント
介護施設に最適なナースコールを選ぶためのポイントを解説します。
長期に渡り使い続けられるか
ナースコールは長期間、使い続けられるものを選びましょう。一度導入すると、簡単に買い替えできるものではありません。保証期間や耐用年数なども確認しておく必要があります。
一般的なナースコール製品のなかには、電子部品に海外の既製品などを搭載しているケースもあり、修理や交換などの懸念点が出てきます。無線ナースコールシステム「ココヘルパ」は開発から生産まで行う自社製品のため、高品質が保たれ将来故障や交換が発生しても長期に渡り使い続けられるため安心です。
業務効率化につながる機能が備わっているか
ナースコールは単に呼出機能だけではなく、業務を効率化できる機能が付いているものがおすすめです。たとえば、映像付無線ナースコール「ココヘルパ」は呼出があったときにスマートフォンから音声や映像をリアルタイムで確認できるため、居室の状況を確認してから対応にあたれます。またシリーズ最上位モデルの「ココヘルパX」はナースコールの専用ユニットに多彩なセンサーを搭載しており、ベッドから起き上がる動作や身体異常などを検知すると通知が可能なため、訪室中以外でも入居者の様々な変化に気づくことができます。ココヘルパの映像付ナースコールを活用することで「駆けつけないと状況がわからない」ということをなくし、状態の見える化により、見守り体制の強化と業務の効率化につながります。ほかにも記録がその場で残せるケアスタンプ機能や介護記録ソフト連携など、スタッフの業務効率をあげる便利な機能が豊富です。
入居者やスタッフが使いやすいかも重要なポイントです。病気や障害などによって、体を自由に動かせなかったり押す力がなかったりするケースもあります。入居者の状況に応じて、ボタンの大きさや形状、機能などを確認し、適応したものを選ぶ必要があります。
またスタッフにとって操作が難しいツールはかえって業務を非効率にし、ストレスにつながります。たとえばスマートフォン連携できるナースコールであれば操作に慣れている方も多いため、すぐに操作を覚えて業務に活かせるようになるでしょう。たとえば現在PHSでナースコール対応をしている場合、スマートフォンに置き換えることで画像や映像、データ確認などのできることが増えるほか、各種アプリと連携することで複数のツールや端末を持ち歩く必要がなくなり、情報共有を効率化し情報の幅を広げられます。
コストパフォーマンスが高いか
ナースコールのコストパフォーマンスも考慮する必要があります。たとえば有線タイプだと、各居室への配線工事が必要となり、その分コストや手間などが生じます。導入時だけでなく、将来的に入れ替えや修理が発生したときも、工事が必要になる可能性があります。
また豊富な機能が備わったナースコールは価格が高くなることが一般的ですが、その分スタッフの業務効率化や生産性の向上ができれば、人件費や採用費などのコストは抑えられるはずです。導入費用だけでなく、工事費や人件費、通信費などのコストも踏まえて選ぶとよいでしょう。
他社のシステムとの連携ができるか
他社の介護記録ソフトや見守りシステムをすでに使用している場合、それらのシステムを連携できるナースコールがおすすめです。複数のシステムを併用すると二重で管理しなければならず、管理パソコンやタブレットなどの端末が複数台必要となるケースもあります。
一方、他社のシステムが連携できれば一元で管理でき、端末を2台持ち歩かないといけないということがなくなります。介護スタッフの負担軽減や業務効率にもつながるでしょう。
■長い目で見るなら、介護施設もスマートフォン化がおすすめ
ナースコールの導入や入替は、長い目でみるとスマートフォン化できるものがおすすめです。
これまで介護施設での連絡ツールとして主流であったPHSは、故障などの対応ができなくなる恐れがあるからです。
2005年11月までに製造された「旧スプリアスの規格のPHSは使用を終了する」というのが国の方針です。スプリアスとは、PHSなどを含む無線機器から発射されている不要な電波のことです。このままPHSを使い続けていると、メンテナンスや機器交換が高額になってしまうことや、機器が入手できずに修理や交換できないリスクもあります。
また通話やメッセージだけの機能であるPHSと比較すると、スマートフォンではより大きな画面から多くの情報を知れたり映像確認ができたりするなど豊富な機能が備わっており、アプリを追加できる拡張性もあります。さらにPHSの場合、専用アンテナを立てる必要があるうえにPHS以外の用途は使えませんが、Wi-Fiの場合はほかの用途にも活用できる汎用性の高さがあります。
これらの理由から、スマートフォン化できるナースコールであれば、将来的に使い続けられるためおすすめです。
■介護施設のナースコールは実績豊富な「ココヘルパ」がおすすめ
ジーコムでは、独自に開発から生産まで行った無線ナースコール「ココへルパ」 を展開しており、これまでの携帯電話などの開発による無線環境の構築ノウハウと経験を活かし、安定した通信システムを提供しています。また映像機能を取り入れたナースコールシステムを先駆けて開発・販売してきた実績もあります。
無線ナースコール「ココヘルパ」は、7つのモデルを展開しています。基本的な「呼出」機能から、「会話」できる機能、「映像」で確認できる機能、さらには入居者の状態や変化を把握できる「見守り」機能まで幅広く揃えており、介護の現場が抱えている課題に合わせて、必要な機能が備わったモデルを選べます。
またスマートフォン対応のココへルパは、訪室前の映像確認やその場で記録が残せるケアスタンプ機能、さらに介護記録ソフト連携や他社見守りシステムと連携することで必要な情報をスマートフォン1台に集約が可能となり業務効率を高める豊富な機能を備えています。
■まとめ
ナースコールは介護施設への設置が義務づけられており、施設ごとの設置基準を把握しておくことが大切です。またナースコールを設置しても無視する・使用させない・手の届かないところに置くなどの行為は高齢者虐待となります。単に設置するだけでなく、入居者が適切にナースコールを使用できるようにしておくことが重要です。
ナースコールの導入や入替で悩まれている方は、ぜひジーコムにご相談ください。