介護におけるリスクマネジメントの実践方法とは?具体的な実践方法や取り組みを紹介

コラム

2024.09.20

安全な介護施設運営に欠かせないリスクマネジメント。
実際どのような方法で対策をしていけば良いのでしょうか。また万が一、介護事故が起きたときの対処法についても確認し事前に準備しておきましょう。

目次


介護におけるリスクマネジメントの実践方法
1.リスクになり得る事例を把握する
2.リスク事例を分析する
3.リスクに対する具体的な施策を立てる
4.マニュアルの作成とルール化をする
もし、介護事故が起きた場合はどうすればいい?
状況に応じて迅速な対応をおこなう
ご家族へ報告をする
事故の記録と原因調査をする
関係各所へ報告する
介護のリスクを減らすには、業務効率化と見守りの強化が重要
まとめ

介護におけるリスクマネジメントの実践方法

具体的なリスクマネジメントの実践方法を紹介します。以下の4つステップに沿って進めましょう。

1.リスクになり得る事例を把握する

まずは上記で紹介したように介護事故やヒヤリハットの事例などをもとに、情報を収集します。
収集する事例数の目安は、労働災害の分野でよく知られている「ハインリッヒの法則」を参考にしましょう。ハインリッヒの法則とは、1件の事故の裏側には29件の軽傷を伴う事故が起きており、一歩間違えると大事故になるヒヤリハットが300件あったというものです。ハインリッヒの法則をもとにすると、300件のヒヤリハット事例を集めることが目安になります。

2.リスク事例を分析する

次に事例を分析して、原因特定、危険性のレベル分け、優先度の設定を行います。よく起こる事例では以下のような原因が考えられます。

転倒・転落

入居者が転倒したケースでは、「段差に杖が引っ掛かりバランスを崩した」、転落したケースでは「寝返りしたときにベッドから落ちてしまった」などの状況が考えられます。

誤嚥

誤嚥の場合、入居者に合わない形態の食事だったケースや、目を離した一瞬のうちに起きたなどのケースがあります。

誤薬

薬を飲み間違えた原因としては、入居者に配る薬の確認を怠った、薬を飲むところを確認していなかったなどが考えられるでしょう。

3.リスクに対する具体的な施策を立てる

原因を分析してどのような具体策を立てるかを検討します。以下で具体的な対策例を紹介します。

転倒・転落

転倒防止のために、段差をなくす、段差があるところは手すり取り付ける、担当スタッフの配置を見直す、日頃から歩行リハビリにより転倒しないような足腰を強化する、などの対策があります。
また転落防止にはベッドに柵を取り付ける、ベッドから車いすへの移乗時に声かけやサポートを強化する、車いすの使用方法を見直すなどの方法があります。

誤嚥

誤嚥事故の場合、入居者にあった食事形態にする、食事中の声かけを徹底するなどの方法があります。万が一誤嚥した場合は医療従事者のサポートをすぐに受けられるような体制づくりも大切です。

誤薬

誤薬の防止策では、薬袋に入居者の名前と写真を記載しておく、服薬の際に薬の種類や名前を確認する、ダブルチェックを徹底するなど、入念な確認体制が求められます。

4.マニュアルの作成とルール化をする

リスクマネジメントでリスクの分析と具体的な施策を立てたら、マニュアル作成やルール化することが大切です。そしてスタッフ全員への周知と教育を行い、安全に対する意識向上と施策への理解を深めていきます。
またマニュアルやルールは一度作成すれば終わりではなく、見直しや修正を繰り返すことでリスクマネジメントの機能を十分に発揮させることが大切です。

もし、介護事故が起きた場合はどうすればいい?

介護事故はリスクマネジメントを徹底していても、100%防げるものではありません。万が一介護事故が起こってしまった場合はどうすればよいのでしょうか。

状況に応じて迅速な対応をおこなう

事故が発生した場合、まずは入居者の安全を確保する必要があります。たとえば転倒・転落事故の場合は、意識はあるか、負傷したところはないかなど入居者の状況をしっかりと確認します。また誤嚥事故の場合は、何を飲み込んだのか確認し、入居者を前かがみにして背中をさすって吐き出させるなどの対処や、誤薬の場合は医師による判断が必要です。それぞれで対応が異なるため、状況に応じた迅速な対応が求められます。

ご家族へ報告をする

入居者の安全確認や一次対応が済んだら、必ず家族への報告も行います。介護事故でクレームにつながりやすいのが報告の対応です。
そのため事故が発生した場合の連絡先や方法について、あらかじめ家族と相談しておくことが大切です。入居者がどのような状況の場合に連絡する必要があるのか、連絡する時間帯は夜間でもよいかなど詳細に決めておく必要があります。

事故の記録と原因調査をする

介護事業所は、事故の発生状況やその後の対応、原因などについて説明が求められます。事故の調査を行って事実に基づいた記録を取り、原因を解明しなければなりません。事故発見者だけでなく、事業所全体で原因の分析や対策を行う必要があります。

関係各所へ報告する

介護事故は事業所の過失にかかわらず、事故報告書を作成して自治体への提出が必要になります。また必要に応じて保険会社やかかりつけ医など関係各所への報告を行います。
当事者のプライバシーに配慮しつつ、施設のほかの入居者や家族にも回覧や掲示などで公表することも大切です。

介護のリスクを減らすには、業務効率化と見守りの強化が重要

介護の現場は業務が多岐に渡るうえに、人手不足という課題を抱えています。スタッフ一人ひとりの業務負担が大きいため、十分な介護サポートが難しいという介護施設も多く存在します。このような状況ではリスクマネジメントを行っていても、介護事故のリスクが高まる恐れがあります。
介護リスクを減らすために、介護スタッフの業務効率化を図って入居者を見守る体制作りが重要です。そのためには業務の効率化に繋がるツールの導入がおすすめです。

例えば、ほとんどの施設に設置が義務付けられているナースコールを機能性の高いシステムにするのも一つの手段です。ナースコールは、呼出機能に特化したツールとして認識されている方も多いでしょう。しかし、最新のナースコールであれば呼出機能はもちろん、スタッフの間接業務の効率化や省力化が図れる機能、見守り強化ができる機能など様々あります。

今回ご紹介する「ココヘルパ」は、介護施設に特化した最新無線式ナースコールです。

【ココヘルパの特徴】

映像会話機能 ナースコール通知があった際にスマホから映像確認と会話ができます。居室に駆けつける前に入居者の様子をリアルタイムで把握ができるため緊急度把握に役立ちます。
録画録音機能 ココヘルパの映像付ナースコールは居室映像と音声の保存が可能です。またはマットセンサーなどと組み合わせ、起床や離床動作の前後映像を保存することもできます。万が一インシデントが発生した場合でも、セキュリティで保護された「映像」と「音声」で要因分析が可能となるため再発防止策に活用することができます。
スマートインカムでハンズフリー対応 ココヘルパのオプション製品「スマートインカム」は、ナースコール一体型のため呼出内容の読み上げや、対スタッフ/対入居者との通話、内線などあらゆるコミュニケーションが可能です。ほかの作業中に呼出があっても、端末を取り出すことなくハンズフリーで内容を確認できるので、作業効率がアップします。困ったときやヘルプを呼びたい時にもスムーズに連絡できます。
専用タブレットで夜間巡回業務を効率化 夜間の居室の様子をリモートで確認ができます。暗視機能を搭載することで、ドアの開閉や照明をつけることなく効率的な見守りが可能となります。また映像型活動検知機能により入居者の活動量をアイコンで表示&通知することで見守りの優先度が明確になり、リスクの低減とスタッフの業務負担を大幅に軽減することができます。

無線ナースコール「ココヘルパ」の業務効率化についてはこちらをご覧ください。

無線ナースコール「ココヘルパ」の見守り強化についてはこちらをご覧ください。

まとめ

介護現場では事故防止のためと、万が一起こってしまった場合でも最小限の被害に抑えるためにリスクマネジメントが必要不可欠です。考えられるリスクを洗い出し対策を施すことが求められますが、それと同時に介護スタッフによる手厚いケアや見守りがリスク低減に欠かせません。介護スタッフの仕事を効率化できる「ココヘルパ」を導入し、見守りを強化することができればリスクマネジメントにもつながるでしょう。

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