スムーズに情報共有できるインカムにも様々な種類があります。
今回は、インカムの種類やそれぞれのメリット・デメリット、また介護施設向けインカムの選び方を解説します。
目次
介護施設向けインカムの種類
スマートフォン連携型タイプ
従来のトランシーバータイプ
介護施設向けインカムの選び方
スマートフォン連携型かトランシーバー型かで選ぶ
業務が円滑に進む仕様になっているかで選ぶ
通信可能エリアの範囲をチェックする
ランニングコストで選ぶ
ナースコールと連携できるかで選ぶ
スピーカーの種類で選ぶ
介護施設向けインカムの種類
介護施設で使用されるインカムは、大きく分けて以下の2種類があります。
スマートフォン連携型タイプ
スマホと連携できるインカムの場合、施設内のWi-Fiを構築していれば施設全体で通信できます。また携帯電話事業者と契約すれば、携帯電話と同じ回線を利用できるので、施設外との連絡も可能です。
スマホは通話機能に加え、そのほかの介護施設に必要なシステムとも連携してスマホ一台にさまざまな機能を集約できます。複数の端末を携帯しなければないといった負担を軽減し、端末のメンテナンスも容易です。
一方で、端末の導入コスト以外に、通信料などのランニングコストがかかる点には注意が必要です。
従来のトランシーバータイプ
トランシーバーは、近距離や区切りのないエリアでの連絡手段に有効なツールです。通信料やパケット費用などのランニングコストがかからない機種もあります。
しかし介護施設全体をカバーするためには、「業務用簡易無線」の申請や免許が必要です。またスマホのようにさまざまなシステムと連携したり機能を拡大したりはできず、連絡のみの単一的な機能となります。
介護施設向けインカムの選び方
インカムのタイプや機能はさまざまあるので、介護施設に適したインカムの選び方について知っておきましょう。
スマートフォン連携型かトランシーバー型かで選ぶ
介護向けインカムを選ぶ際は、スマートフォン連携型か、従来のトランシーバー型を選択する必要があります。それぞれのメリット、デメリットを把握し、選ぶ際の参考にしてみてください。
スマートフォン連携型 | 【メリット】 ・スマートフォンに統一することができるので、端末コストの削減やメンテナンスも簡易的になります。またスタッフの複数台持ちを減らすことができます。 ・全館WIFIを構築していれば特別な申請などがなく全館で使用することができます。 ・製品によっては会話の内容をクラウドで保存できる物もあり、エビデンスとして保存することができます。 【デメリット】 ・製品によっては月額料金がかかる場合があります。 ・全館にWIFIの設備が必要になる場合もあります。(端末ごとに携帯電話事業者と契約をすればWIFIは必要ない場合もあり。) ・ナースコールとの連携ができていない製品もあるため、製品選定には注意が必要です(ナースコールはPHSで対応し、インカムはスマートフォンという2台持ちになるなど。) |
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トランシーバー型 | 【メリット】 ・機種によっては、広範囲なエリアを通信料やパケット費用などの月額費用が発生せず使用できることが特徴です。(登録料や更新料は発生することがあります。) 【デメリット】 ・特養など介護施設内の全エリアをカバーするには「業務用簡易無線」を使用する必要があり、その場合は申請が必要です。 ・身に着ける機器がとにかく重いです。現在の施設内ではスマートフォンやPHSを持ち歩いていることもある中、さらに専用機を持つということになると非常にかさばることになります。また管理端末数が増えるため充電なども複数行う必要があります。 |
業務が円滑に進む仕様になっているかで選ぶ
介護スタッフがスマホなどの端末を取り出して連絡しなければならない場合、手が塞がるため業務を妨げます。そのためボタン操作だけでハンズフリーで使えるかがポイントです。また端末本体にジャックを挿してイヤホンマイクを装着するタイプは、コードが絡まないように制服の中に隠して置かなければなりません。コードレス仕様であるかも確認しましょう。
通信可能エリアの範囲をチェックする
通信できるエリアをあらかじめ確認しておきます。Wi-Fi対応であれば、電波の影響も受けにくく広い施設でも心配ありません。また屋外にいる送迎ドライバーや別の施設とも連絡をとりたい場合は、携帯電話回線を利用できるタイプも視野に入れましょう。
ランニングコストで選ぶ
インカムのランニングコストも重要なポイントです。機能性やコストなど複数社を比較して選びます。たとえばナースコール一体型のインカムなど、ほかのシステムと連携できるインカムを選べば維持費をひとつにできるので、ランニングコストを抑えられます。
ナースコールと連携できるかで選ぶ
ナースコールと連携できれば、スタッフ間の連絡だけでなく居室の呼び出しにもインカムひとつで対応できるようになります。
しかしなかにはナースコールと連携できないタイプもあります。また連携できたとしても、ナースコール専用の子機も持ち歩かなければならずインカムの端末と2台持ちになるケースもあります。複数の端末を携帯することは業務の妨げにもなるため、1つの端末に集約できるかが確認ポイントです。
スピーカーの種類で選ぶ
インカムのスピーカータイプも重要です。首にかけるタイプやイヤホン型、骨伝導型などがあります。イヤホン型の場合、耳に直接入れるため複数人で使い回す際は、衛生面が気になることもあります。一方、骨伝導型は耳に直接入れないので衛生面も気になりません。周囲の音を遮らず安全性も向上します。
介護施設へのインカム導入が補助金対象に?
インカムにも様々な種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
実際の活用シーンを想像し、施設に適切なインカムを選びましょう。
インカム導入は介護現場の環境改善を促進するものとして補助金対象になります。