高齢者の転倒の原因 – 繰り返す転倒を防ぐには?

コラム

2025.04.07

高齢になるとさまざまな要因から、若いころよりも転倒しやすくなるうえに、通院や入院などが必要となる大きなケガにつながる恐れがあります。今回は、高齢者の転倒を防止するため、転倒する原因や転倒しやすい場所、対策方法などを紹介します。

目次


高齢者の転倒の原因とは
加齢による身体機能の低下
運動不足による筋力の低下
病気や薬などによる影響
外的な要因によるもの
高齢者の転倒は、どのようなリスクが伴うのか
高齢者が転倒しやすい場所は?

■高齢者の転倒の原因とは

高齢者が転倒する原因は、加齢による身体機能の低下や運動不足、病気・服薬といった高齢者自身による内的な原因のほか、生活環境などの外的な原因があります。

加齢による身体機能の低下

加齢とともに、聴覚や視覚、バランス感覚、柔軟性などの身体機能はだんだんと低下します。
そのため本人が思っている動きと実際の動きに差が生じ、思ったとおりに動けずバランスを崩しやすくなります。また体の柔軟性や瞬発力の機能が低下していると、とっさの反応ができなくなるので転倒の可能性を高めています。

運動不足による筋力の低下

運動不足による筋力低下も転倒の原因です。運動不足は、運動機能と感覚機能を弱めてしまい、体を思うように動かしにくくなります。体がうまく動かせないためにさらに筋力が落ちて老化を進め、転倒のリスクを高めるという悪循環を招いています。

病気や薬などによる影響

病気や薬が原因で転倒しやすくなることもあります。転倒しすいという症状のある病気は、脳卒中や大腿骨頚部骨折、パーキンソン病などが挙げられます。
また高齢者のなかにはいくつもの病気を抱えて、数種類の薬を服用している方もいます。薬の副作用によってふらつきや立ちくらみの症状があらわれる可能性もあります。

外的な要因によるもの

高齢者自身が抱える要因によるものではなく、生活環境などの外的要因によって転倒することもあります。たとえば段さや階段でつまずく、暗い部屋で障害物にぶつかったり踏んだりする、足を滑らせるなどによって転倒するケースが挙げられます。

 

■高齢者の転倒は、どのようなリスクが伴うのか

高齢者の転倒は、転倒によるケガが原因で寝たきりの状態になり介護が必要となる恐れがあります。高齢者の場合、筋力や身体機能の衰えから転倒しやすくなるうえに、若い世代であれば軽いけがですむ場合でも、骨折や頭部外傷などの大きなけがにつながりやすくなります。また高齢になるとケガの回復に時間がかかりやすく、治るまでに長い期間を必要とします。その間に筋力や体力までも衰えてしまい、そのまま寝たきりになってしまうことも珍しくありません。
さらにケガがなくても、転倒したことによって体力の衰えを自覚して自信をなくしたり身体を動かすことが億劫になったりして、体を動かそうという意識が減ることもあります。その結果、内蔵などをはじめとする心身のさまざまな機能低下といった悪循環を招く恐れもあります。

■高齢者が転倒しやすい場所は?

高齢者が転倒しやすい場所は以下のとおりです。

  • 自室内やベッド周辺

高齢者の方が長い時間を過ごす自室内も転倒が多い場所です。とくにベッドや布団から起き上がろうしてふらつく、足元の布団に引っかかるなどして転倒することがあります。

  • トイレ

トイレまでの移動時や服の上げ下ろし、排せつのときの動作などで、転倒することがあります。頻繁にトイレに行く方や夜間にトイレに行く場合、急いでいたり十分に目が覚めていなかったりするため、とくに転倒のリスクが高まります。

  • 浴室

床が濡れていたりシャンプーなどの泡が残っていたりすることが原因で、転倒する危険性があります。また浴槽をまたぐ、立ち上がるなどの動作も注意すべきポイントです。

  • 段差や階段

ちょっとした段差でつまずいたり踏み外したりして、転倒することもあります。また筋力の低下した高齢者の場合、階段の上り下りは負担が大きい動作です。加齢に伴って背中が曲がってしまうと重心が後ろに傾きやすくなるため、階段を上るときに後ろ側に倒れやすくなります。バランスを崩して一気に下まで落下し、大きな事故につながるリスクの高い場所です。

 

ここまでは高齢者の転倒について、その原因をみていきました。ではどのような対策が有効的なのでしょうか?次週詳しく解説いたします!

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