認知症による徘徊対策を解説!押さえるべきポイントは?

コラム

2025.02.03

認知症による徘徊とは、自分の居場所や目的を忘れてしまい歩き回る行動のことです。自宅や介護施設から外に出て徘徊してしまうと、事故に遭ったり行方不明になったりする恐れがあるため、介護施設では徘徊に備えて十分な対策をとっておくことが求められます。この記事では、認知症による徘徊対策と押さえたいポイントについて解説します。

 

目次


認知症による徘徊の原因とは
記憶障害や見当識障害によるもの
不安やストレスによるもの
認知症による徘徊対策のポイント
【ポイント1】生活習慣を整える
【ポイント2】適度な運動をおこなう
【ポイント3】ストレスを感じない環境づくりをする
【ポイント4】心地よい居場所をつくる

 

認知症による徘徊の原因とは

認知症の方が「徘徊」する原因には、大きく以下の2つがあります。

記憶障害や見当識障害によるもの

記憶障害や見当識障害が、徘徊する大きな原因となっています。脳の細胞が壊されて機能が低下すると、記憶障害や見当識障害などの障害を引き起こします。
「記憶障害」は、経験したこと自体をすっかり忘れてしまうことです。一時的な物忘れなどとは異なり「夕飯になにを食べたか思い出せない」ではなく、食べた記憶自体がなくなってしまいます。
「見当識障害」とは、人や時間、場所、状況などを認識する機能に障害が生じることです。目の前にいる人や自分がいる場所がわからなくなってしまう障害です。

【記憶障害や見当識障害による徘徊の具体例】

  • トイレに行きたいけど場所がわからなくて徘徊する
  • 探し物をしているが、なにを探していたか忘れてしまい徘徊する

脳の機能が低下したことで引き起こされる症状は「中核症状」と呼ばれます。記憶障害や見当識障害のほかにも、理解力や判断力の低下なども見られます。中核症状は認知症の方すべてに現れる症状であり、症状が進行していくものです。

不安やストレスによるもの

周辺環境の変化や大きなストレスなどが、徘徊の原因となることもあります。上述した「中核症状」に加え、本人の性格や環境の変化、ストレスといった「周辺症状」が引き金となり徘徊が引き起こされることがあります。

【不安やストレスによる徘徊の具体例】

  • 新しい場所や環境に馴染めず、元の場に戻ろうとして徘徊する
  • 人から叱られたときの恐怖を思い出し、別の場所に移動しようとして徘徊する
  • 人込みや不慣れな環境がストレスになり、落ち着く場所を探して徘徊する

周辺症状には「不安」「意欲低下」「抑うつ」「妄想」などがあり、徘徊もその一つです。どのような症状があらわれるかは、ひとそれぞれで異なります。

認知症による徘徊対策のポイント

認知症の方が徘徊するリスクを防止するためのポイントを紹介します。

【ポイント1】生活習慣を整える

認知症の方の生活リズムが乱れていると、徘徊につながる可能性が高まります。十分な睡眠やバランスのとれた食事で心身の健康を保ち、生活習慣を整えることが大切です。起床から就寝、食事の時間を毎日一定に保てるように、1日のスケジュールを決めておくとよいでしょう。

【ポイント2】適度な運動をおこなう

日中は適度な運動をすることも大切です。適度に体を動かすことで脳に刺激を与えられ、体力維持や気分転換につながります。体も疲れるため、夜はぐっすりと眠れるようになり深夜徘徊の防止にもなります。軽めの体操やストレッチのほか、お庭の手入れや洗濯などの用事も効果的です。

【ポイント3】ストレスを感じない環境づくりをする

認知症の方がストレスを感じてしまうと、「この場所にいたくない」と考えてしまって外に出る可能性が高くなります。認知症の方が一人で不安を感じることがないように、家族や介護者が適切なタイミングでサポートすることが大切です。

【ポイント4】心地よい居場所をつくる

心地よい居場所をつくってあげることも徘徊のリスクを減らすことにつながります。趣味を楽しんだり、集中できる作業をしたりすることで、自分の居場所はここだという認識を持てるようになります。

 

認知症による徘徊を防止するためには、ツールの活用も有効な手段です。次週はおすすめの商品と、対策するうえでやってはいけないことを解説します。

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