離床センサーは、ベッドからの転倒・転落や、認知症の方が徘徊することを予防するためのツールであり、多くの介護施設で導入が進められています。この記事では離床センサーの種類を解説し、目的にあわせた選び方やおすすめの製品を紹介します。
目次
離床センサーとは?
離床センサー・センサーの種類
ベッドセンサー
タッチセンサー
マットセンサー
クリップセンサー
ピローセンサー
赤外線・超音波センサー
ベッドサイドセンサー
車いす用センサー
トイレ用センサー
カメラセンサー
離床センサーを導入するメリット
離床センサーを導入するデメリット
■離床センサーとは?
離床センサーとは、介護施設や病院などで使われる装置のことで、施設の入居者や患者がベッドからの転倒・転落や、認知症の方の徘徊を予防するためのものです。離床センサーにはさまざまな種類があり、施設入居者がベッドから起き上がったり離れたりすると反応するものや、センサーを踏んだら反応するものなどがあります。一般的にはナースコールと連動しており、センサーが検知すると自動的にナースコールやスマートフォンなどに通知されるようになっています。
■離床センサー・センサーの種類
離床センサー・センサーにはさまざまな種類があるため、入居者の状態や場所に応じて最適なセンサーを活用することが大切です。
ベッドセンサー
ベッドセンサーは、ベッドの上に敷いて使うパッド型の離床センサーです。パッドにかかる圧力を検知できるので、入居者の背中あたりの位置に設置しておくと、入居者がベッドから起き上がったことを検知して知らせてくれます。ベッドセンサーには、寝返りなどの体の動きに反応してしまう誤動作を防ぐ機能がついているタイプもあります。
タッチセンサー
タッチセンサーは、ベッドの手すりや柵に設置する離床センサーで、手すりや柵を触れたり握ったりするとセンサーが反応する仕組みです。タッチセンサーの利用シーンは、手すりや柵につかまれば自分で起き上がれるけれど、立位や歩行が不安定な入居者を対象に設置することが一般的です。
マットセンサー
マットセンサーは、床に敷いて使うタイプの離床センサーで、マットを踏むことで荷重を検知して通知する仕組みです。ベッドの足元などに設置しておけばベッドから出たことがわかり、出入り口に設置すれば居室の出入りも検知できます。
マットセンサーは、歩行は安定しているけれど徘徊リスクのある方を対象に設置されることが多い離床センサーです。
クリップセンサー
クリップセンサーはクリップと磁石を紐でつなげた形状の離床センサーで、クリップのセンサー部分から磁石が外れるとセンサーが反応する仕組みです。入居者の衣服などにクリップセンサーを取り付けておき、ベッドから起き上がったり一定距離を離れたりするとクリップが外れて通知してくれます。
クリップセンサーは無意識の動作によって紐を引っ張ってしまったり、自身でクリップを外してしまったりすることもあるため、入居者によって向き不向きがあります。
ピローセンサー
ピローセンサーは、枕の下に敷くタイプの離床センサーで、枕から頭が離れたことを検知して知らせてくれます。離床や徘徊を予防する目的だけではなく、疾患などで安静が必要な方や動作に制限のある方などを見守るときに使用されることがあります。
赤外線・超音波センサー
赤外センサーは装置から出ている赤外線が人の動きなどによって遮られたことを検知する離床センサーです。超音波センサーも赤外線センサーと同じく、超音波により入居者の動きを検知できます。コンパクトなタイプが多いので、目立たずに設置できるのが特徴です。
赤外線・超音波センサーは設置場所によって検知したい動きを変えられます。たとえばベッドの足元に設置してベッドから起き上がりを検知することや、居室のドア付近に設置して出入りを検知することなどが可能です。
ベッドサイドセンサー
ベッドサイドセンサーは、ベッドの降り口に敷くパッド型の離床センサーです。入居者がベッドから降りようとしてベッドの端に移動すると、荷重がかかってセンサーが反応する仕組みです。起き上がりや寝返りなどの動作では反応しないため、入居者の動作をより限定して検知できます。
車いす用センサー
車いす用センサーは、車いすの座面にセンサーマットを敷いて使うセンサーです。入居者が車いすから離れて荷重がなくなるとセンサーが反応します。
トイレ用センサー
トイレ用センサーは、赤外線などを利用したセンサーです。入居者がトイレの便座から離れるとセンサーが反応します。
カメラセンサー
カメラは離れた場所にいても入居者の状況を確認できるため、ムダな訪室を防いで業務を効率化できる介護施設の見守りアイテムです。画像解析が可能なカメラもあり、入居者が転倒しているなどの異常な動作をカメラが検知して知らせてくれます。
■離床センサーを導入するメリット
離床センサーを導入するメリットは、主に以下の3つです。
- 転落・転倒を防止できる
離床センサーは転倒・転落リスクの高い方などを対象に、介護施設や医療現場でも導入されています。起き上がりなどの動作を検知してスタッフに通知されるので、迅速なケアができるようになり転倒や転倒の予防につながります。
- 徘徊を防ぎ安全を確保できる
認知症の方の場合、行方不明や事故の危険性があるため徘徊を防止する必要があります。離床センサーを導入することで部屋に鍵をかける必要もなく、入居者の自由な行動と安全の確保が可能です。
- 介護スタッフの業務効率化につながる
離床センサーは介護スタッフの業務を効率化できるツールです。介護スタッフは、入居者が様子を確認するために訪室しなければならず、業務の負担となっています。離床センサーを導入することで入居者の動きを把握できるようになるため、頻回に訪室する必要がなくなります。業務負担を軽減して適切なケアが可能となり、入居者の安全で快適な生活にもつながります。
■離床センサーを導入するデメリット
離床センサーは入居者の転落・転倒・徘徊を予防できるメリットの大きいツールですが、一方で使用する際に注意しておかなければデメリットになる部分もあります。
- 誤検知の可能性がある
誤検知による不要な訪室はデメリットです。寝返りなどの動きで起き上がりと検知されてしまうケースもあるため、入居者の状態や設置場所などを考慮して、最適な離床センサーを選定する必要があります。
- 入居者のプライバシー問題
入居者の動きを見守ることは、入居者にとってはプライバシーを侵害されていると感じる可能性があります。入居者やその家族への説明と理解をいただくことが大切です。
■適切な離床センサーの選び方とは?
ここまで離床センサーをはじめとした様々なセンサーと導入する際のメリットデメリットをご紹介しましたが、実際どのように選べば良いのでしょうか。
▼無線ナースコール「ココヘルパ」の共通センサー
https://www.gcomm.co.jp/cocohelpa/sensor/
▼無線ナースコール「ココヘルパ」とつながる他社センサー連動
https://www.gcomm.co.jp/function/interlock/
▼センサーと映像で見守り強化ができる無線ナースコール「ココヘルパX」
https://www.gcomm.co.jp/cocohelpa/x/