ナースコールとは?最新機能をご紹介

コラム

2024.10.21

ナースコールはボタン一つでスタッフを呼び出せる、介護施設にとって欠かせない重要なツールです。ナースコールは近年進化しさまざまな機能を備えているため、業務の効率化や安全性の向上が期待できます。
今回は介護施設における最適なナースコールの選び方や、押さえるべきポイントについて解説します。

目次


そもそも「ナースコール」とは?
ナースコールの配線のタイプ
有線タイプ
無線タイプ
近年、ナースコールは進化している!
ナースコールシステムの機能
スマートフォン(PHS)対応
映像確認機能
映像録画機能
インカム連携
介護記録ソフトとの連携
入居者見守り

 

■そもそも「ナースコール」とは?

ナースコールとは、患者さんが看護師に伝えたいことがあるときに使用する呼出ボタンのことです。病院で使われるものと一般的に思われていますが、介護施設や福祉施設などでも同じように使用されています。
ベッドサイドやトイレなどにナースコールを設置しておき、なにかあった際に押してもらうことで、呼び出しがあったことを把握してその場に駆けつけられます。緊急時の迅速な対応を可能にし、医療や介護の質を向上させるとともに、施設入居者の安心感を高める重要なツールです。

■ナースコールの配線のタイプ

ナースコールは有線と無線の2つの配線タイプがあります。

有線タイプ

ナースコールは有線タイプが主流となっており、多くの施設で導入されています。各居室とスタッフルームをつないで通信するため配線工事が必要ですが、無線タイプと比較すると通信トラブルが起こりにくいという特徴があります。

無線タイプ

近年では無線タイプのナースコールも多く展開されており、導入する施設も増加しています。各居室への配線引き込み工事などが不要なのでコストを削減でき、断線などの心配も必要ありません。配線が気にならないのでベッドなどのレイアウトも自由で、居室内であれば移動時にも持ち運べます。

有線タイプと比べると、通信環境が不安定になりやすい可能性があるため事前の電波調査が重要になります。

 

■近年、ナースコールは進化している!

もともとナースコールは、入居者がボタンを押すことでスタッフを呼び出すという機能しかなかったものですが、近年ではデジタル化が進みナースコールにさまざまな機能が拡張されています。
従来のナースコールでは、呼び出しがあった際にナースステーションに設置してある親機からどの部屋のボタンが押されたのかを確認し、その場に向かう必要がありました。その後ナースコールはPHSへの通知が可能となり、ナースステーション以外の場所にいても呼出を確認できるように。
現在ではナースコールはさらに進化し、スマートフォンとの連動が主流になりつつあります。PHSと比べ表示画面が広く付属カメラで写真の保存も可能となったほか、各種アプリと連携することで複数のツールや端末を持ち歩く必要がなくなり業務の効率が向上します。

さらにナースコール情報だけではなくスマートフォンから居室映像を確認できるタイプであれば駆け付ける前に緊急度を把握することも可能となります。

近年のナースコールは、場所に縛られることなく作業をしながらさまざまな状況把握や情報共有ができるようになり、スタッフは柔軟かつ迅速な対応が可能となります。

 

■ナースコールシステムの機能

ここではナースコールシステムの主な機能の特徴やメリットなどについて、それぞれ詳しく解説します。介護施設専用の無線ナースコールシステムであるジーコムの「ココへルパ」シリーズについても紹介しています。

スマートフォン(PHS)対応

ナースコールは上述したようにPHSやスマートフォンへの通知が可能となり、ナースステーションにいなくても居室からの呼び出しを確認できるようになっています。また離れた場所にいても入居者と会話ができるので、ナースステーションや居室に移動しなければ、入居者の質問や要望がわからないといったムダを省けます。
PHSとスマートフォンの違いについては後ほど詳しく解説しますが、スマートフォンのほうが最新の機能要素が増えているため、これからナースコールの買い替えを検討する場合はスマートフォン連携できるタイプがおすすめです。

映像確認機能

ナースコールには、居室の様子を映像で確認できる機能もあります。ナースコールが鳴った際に入居者の様子を確認して緊急度を把握できるため、迅速かつ的確な対応が可能です。

ジーコムは、介護業界で会話機能が主流だった時代から映像の必要性に着目し、2015年には業界初の映像機能付無線ナースコール「ココヘルパVcam」を展開。駆け付けなければ様子がわからないという常識を覆し、スタッフの負担を減らし適切な訪室業務を実現します。

映像録画機能

またナースコールの機能の一つで、映像録画機能が備わっている場合もあります。例えば離床動作を検知したタイミングで録画が開始されることで、後から転倒した際の様子などを確認することが可能となります。

ココヘルパは映像録画機能だけではなく録音機能を備えているタイプもあり、映像だけよりもさらに詳しくその時の様子を振り返ることができます。またいつ起こるか分からない居室での事故に備え、常時録画録音ができるタイプも。さらに映像データは閲覧時のパスワード設定ができるなど、入居者個人の尊厳を守りながら見守りの強化を実現することが可能となります。万が一のインシデント発生時にも「映像」と「音声」の確認により事実確認や再発防止策が行えるようになります。

インカム連携

インカムが連携できるナースコールもあります。インカムとは、複数の人が特定のエリア内で無線通信できる機器で、ヘッドセットやイヤホンなどを耳にかけて使用するツールです。スマートフォンやPHSとは異なり1対多人数での通話が可能なので、スムーズなやりとりが行えます。ただし、ナースコールでPHSを利用している場合などはそれぞれの受信機を持ち歩く場合もあるため、確認が必要です。

ココヘルパのオプション製品「スマートインカム」はナースコール一体型のインカムのため呼出内容の音声読み上げやスタッフとの会話、入居者との会話、内線などのさまざまなコミュニケーションが1台の端末で行えるので、複数の端末を持ち歩く必要がありません。また耳を塞がない骨伝導タイプのインカムなので、付けたままでも周囲の音を遮らず安全性も考慮した介護スタッフ向けのインカムです。

介護記録ソフトとの連携

介護施設では介護記録も大切な業務の一つであり、介護記録の専用ソフトを使用している施設も多数存在します。その場合、介護記録ソフトを連携できるナースコールシステムが便利です。ココへルパは介護記録ソフトと連携が可能で、スマートフォンから介護記録を残せます。わざわざスタッフルームに戻って記録する必要がないため、記録漏れを防ぎ作業効率も大きく向上できます。ナースコール履歴をはじめ、介護ケアの記録は選択形式なので簡単かつスピーディーに記録できる利便性の高さも特徴です。

入居者見守り

近年では利用者の転倒・転落・徘徊などを防止することを目的に、カメラやセンサーなどで遠隔から見守りできるナースコールも活用されています。一般的には離床センサーやカメラの映像解析によって起き上がりや離床を検知し、ナースコールに自動で通知される仕組みです。認知症や障害などにより、ナースコールを押せない方などの見守りができます。

ココヘルパでは、入居者見守りができるモデルを大きく2つ用意しています。一つは独自のアルゴリズムを使用した活動検知機能で夜間の入居者の活動量を分析し、その情報が自動的にタブレットに表示される「ココヘルパVP」。もう一方は、ミリ波レーダーなどの多彩なセンサーによって、入居者の離床や体表温、身体異常、睡眠などさまざまなデータを自動で検出し、必要に応じて通知できる「ココヘルパX」です。

日常から入居者のデータを蓄積できるため、入居者の離床はもとより、異常や変化などにも気付ける機能を備えています。行動パターンや傾向などの可視化もできるため、スタッフの先回りケアをサポートします。

 

今回はナースコールの最新機能についてご紹介いたしました。
次週は子機である「スマートフォンとPHS」の違いと、ナースコールを選定するうえで押さえるべきポイントについてご紹介します。

 

 

 

 

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